「1日にできることは限られている」という当たり前だけど大事な話。

ども。ゲンゴローです。

突然ですが、「あなたの行動は、無意識のうちに制限されている」と聞いたら、信じますか?

あなたが1日に使えるエネルギーの総量とその配分の仕方は、法則により制限されており、そのせいであなたは意思のままに時間を使うことができないのだ。

『データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』P22より

この1文を見た時、頭の中がはてなマークでいっぱいになりました。

これは『データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』の一節です。

作者の矢野和男さんは、人工知能や人間社会行動を研究されている方です。

矢野さんは、リストバンド型のウエアラブルセンサ「ライフ顕微鏡」を使って人の行動を計測し、そのビッグデータを人工知能で解析し生産性向上や幸せの計測など、人の行動の法則性を見出されました。

本書の中から、ゲンゴローが目から鱗を落とした内容を紹介したいと思います。

1日にやれることは限られている。

ウェアラブルデバイスで腕の動きを加速度センサで計測し記録する。高精度の加速度センサは、50ミリ病後と(1秒間に20回)、腕のほんのわずかな動きでさえ捉えて、加速度としてメモリに記録する。
このウェアラブルセンサを用いて、12人の被験者の腕の動きを、それぞれ4週間ずつ、のべ9000時間にもわたって記録した。

P24より一部抜粋

上記の計測により、過去の各時間帯でどれくらい腕が振動していたのか、そこから何をしていたのかがわかるようになります。

PCでネットサーフィンしていたり、居眠りしていると振動は少なくなり、気合の入れたプレゼンをしていると振動は多くなる、といった具合です。

その結果、人の1日の活動は右肩下がりの「U分布」となることがわかりました。

P27,33を元に作成

スーパーざっくりですが、縦軸は確率、横軸は身体運動の回数を表します。

激しい運動ほど確率は少なくなり、少ない運動ほど確率は高くなる、ということです。

1日の時間を有効に使うには、様々な帯域の活動予算(エネルギー)を知って、バランスよく全ての帯域の活動予算を使うことが大切

P51より抜粋

と筆者は言います。

自分のやりたいことを詰め込んだ計画を立てても、達成できないのは自明だったのですね。

私たちは「自分の行動は自分で決められる」と考えがちです。

特に社会人は平日会社に大半の時間拘束されているので、休日こそ心から自由を感じていると思います。

自分も休みの前夜は、「有意義な休日するぞ!」と固い決意とともにカツカツ詰めのスケジュールを組んでしまいがちです。

早起きして読書、書評をブログに書く。昼は自炊。食後はプログラミングの勉強、夜はダンスの練習・・・

そのスケジュールはこなしきれず、いつの間にかぼーっとした時間を過ごしてしまい、休みの夜に途方にくれていました。

「どうして俺はこんな無駄な時間を過ごしてしまったんや・・・」と自暴自棄に陥る夜は数知れず。

今までは自分の意思の弱さによるものだと思っていました。

意思に関係なく、1日の活動量には限界があるのです。

あと、これを知っていると、深夜までにわたる残業や長時間労働がいかに不毛であるかわかりますね・・・

ウェアラブルデバイスを身につけて、何に自分はエネルギーを使っているのか、日々の活動を数値化することが、時間の有効活用することに繋がりそうです。

アマゾンをのぞいてみると、いろんな種類があるんですね。そして割と安価!

活発度は生産性をあげる

2章では、あるサービスを売り込むコールセンターの従業員にウェアラブルデバイスを装着してもらい、コミュニケーションや各時刻の居場所、名札の揺れのパターンなどを計測した実験が紹介されています。

その結果、休息所での会話の「活発度」が受注率(1時間に電話で売込みに成功する件数)と相関していることがわかりました。

さらに、休憩時間の活発さを向上させるために、同世代を同じタイミングで休憩させると、活発度が10%、受注率が13%上昇したというのです。

筆者の古巣である日立でも、バブル前には社内の親睦を深めるための運動会があったそうです。

当時人々が感覚的に理解していたであろう事象が、定量的なデータに基づいて証明されるのはとても興味深いですね。

ゲンゴローは、いまだに社内レクリエーションが活発な、古き良き組織で働いています。

社全体が総力をあげて夏はビアパーティ、冬はクリスマスパーティを開催しています。

「昭和的で時代錯誤。とっととやめるべき」

なんて議論もちらほらありますが、創造的な業務のためには、ある程度必要な活動なんだと再認識しました。

理系に進んでよかった、と思える一冊

本書を読んでいて、学生時代を思い出しました。片対数プロットとかエントロピー増大とかなつかしい・・・

学部生時代の学生実験の時は「なんでこんなつまらんことやっとるんやろ。楽そうな文系いきたかった・・・パラ経裏山・・・」

とか考えていましたが、卒業して6年くらいたちますが、当時大学で勉強していたことをおぼろげながらに思い出しつつ楽しく本書を読むことができました。あの時勉強しといてよかった!理系でよかった!と思える書籍です。

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